Geicoの基礎となる事業活動は、ジュゼッペ(ピッポ)・ネーリとジャンカルロ・マンデッリにより開始されました。創立当初の社名は、この2人の名前から、Neri & Mandelliでした。
創立後まもなく、非常に重要な最初のパートナーシップが結ばれることになります。1965年、車体の塗装プラントの供給に携わってきたCarrier Drysysグループに株式の70%を売却し、社名はDrysys Equipement Italianaに変更されました。 その後1970年代初頭、Drysysの財政問題により、業界における国際的大企業である英国のHaden社との協力体制が確立され、Drysysの全持ち株がHaden社に移譲されました。
1970年代の石油危機と政治的状況により、Hadenはその株式をピッポ・ネーリ一族の経営する1976年に設立されたGecofinに売却します。その後Drysys Equipement Italianaの株式を100%買い取り、社名がGeico S.p.A.に変更されました。
1994年2月4日、ピッポ・ネーリが死去。アラブニアと妻のラウラが相続人の全株式を取得することを決定し、マネジメント・バイアウト(経営陣による自社買収)によりGecofinの統制権を取得します。
自動車業界からのニーズに応えるため、Geicoは産業用オートメーションを専門とするFiatグループのComau傘下に入りました。
GecofinはGeicoの全株式をFiatグループから買い取り、アリ・レーザ・アラブニアが代表取締役およびCEOに就任します。
アラブニアは企業の効率化改善のために社内の様々な処理の見直しを計り、さらに銀行、サプライヤー、出資者に企業の将来的な戦略と投資についてプレゼンテーションを行う、最初のイノベーションデイを企画しました。それと並行して、責任感、信頼、歓待の大切さを基本とした文化面での革命を開始し、人を中心に置くことを考え、人材とプロフェッショナルの開発に力を入れました。これらすべての活動の結果、たった5年で、Geicoは世界のトップリーダーの一社へと躍り出ることになります。
新しい企業戦略は非常に野心的な計画に集約され、Pardisプロジェクトが始動されました。それはエネルギー消費を70%削減させて自給自足で賄える、初の自動車塗装プラントの実現を目指したものでした。この企業目標は2020年6月16日のEnergy Independence Dayをゴールとして定められましたが、目標より3年も早い2017年にその達成を果たすことができました。
Geicoは2008年に allGeicoproject と命名された世界的ネットワークを開始し、Haden Drysysの知的財産および特許を引き継ぎます。
これにより、Geicoは世界的なリーダーの地位をさらに堅固なものにし、この年の受注は記録的なものとなりました。
世界的な経済危機にある中、アラブニアは経済状況の悪化にもかかわらず、すべての資源を技術革新と開発に賭ける決意を固めます。これは、競合力を高め、市場の回復時に競合者に取って代わるという見地によるものでした。
こうして、Geicoの旗艦的研究開発センター、Pardisイノベーションセンターが設立されたのです。
2011年、塗装プラント業界の日本の大企業、大気社とのパートナーシップが結ばれました。Gecofinは引き続き株式の49%を保持し、それにより、最先端テクノロジーと分野に特化したノウハウ、確固たる財務力、そして世界中に広がる拠点を得ることが可能となったのです。
Geico誕生50周年を迎えるに当たり、技術および文化の両面に重点を置いた広大なスペースを持つ本社をチニゼッロ・バルサモ (ミラノ県) に新しく開設します。
3,600m2におよぶ新しいPardisイノベーションセンターは、以前のセンターの約2倍の広さを持ち、車体塗装分野における世界でも最も重要な研究開発センターとなります。イタリア国内外から数多くの高い評価を得て、Geicoの革新的なアプローチを最大限に表明し、かつ、再生可能資源の活動に焦点を向けています。
Gecofinは新本社にGeicoおよびその社員のために「ラウラの思索の庭」を開設しました。ここは、身体と精神の健康、幸福の完全なバランスを得るのに最適な場所です。
2,000㎡ものスペースは、創造性と感情、それに感動に深い関連のある右脳を開発するために設けられました。
常に地域社会に目を向けてきたアラブニア家は、起業家として成功した後もPardis財団を設立し、地域社会を支持することに積極的に取り組んでいます。そこから2011年にGeicoにより若年層の失業問題に貢献するJ-Nextが誕生しました。財団では利潤の追求をすることなく、革新的なプロジェクトを提案し、職を求める人が社会的経済的につながりが持てるよう、新卒者ばかりでなく多少年齢が上の求職者まで支援しています。
Geicoの第7回イノベーションデイにおいて、2020年に目標が定められていたEnergy Independence Dayに3年も前倒しして目標に到達することができました。Geicoは環境負荷ゼロの塗装プラントを実現した世界初の企業です。
GeicoのJ-NextプロジェクトとPardis財団のGate Bridgeプロジェクトにより、100名の新卒者に仕事のチャンスを与え社会に送り出すという目標を達成し、かつ、それを超えることができました。
革新的なスピリットはGeicoに生まれながらにして備わった特性です。ここからスマートペイントショップ、車両の塗装プラントに革命をもたらす4.0プロジェクトが誕生しました。
本プロジェクトは世界で最良の研究と革新として、SurCar Cannesのイノベーションアワードを受賞しました。
アリ レザ・アラブニアは36歳の息子ダリウシュにその地位を譲りました。ダリウシュがグループの統率にあたります。
父親のビジネス哲学に忠実に従い、新代表取締役も、極めて競争力の強い最先端の分野における将来の挑戦のために、特に若い人材に注目しつつ、技術革新の路線を進み続けます。
49%の株式を保有していたアラブニア・ネーリ家が、グループの株式の過半数を取得し、85.5%の株式を保有します。
個人の尊重、困難に対処する強さ、人間関係における誠実さ、責任感など、常にアラブニア・ネーリ家が大切にしてきた文化の中心にあるものが、この戦略的決断の主軸となりました。
今回も、会社の継続性と人材を中心に据えた方針が、経営陣の戦略的選択の基礎となっています。